福井は、2024年3月に北陸新幹線が敦賀まで延びて、東京から乗り換えなしで行ける県になりました。東京駅から福井駅まで、およそ2時間51分です。
ただ、福井の旅で本当に時間がかかるのは、そこから先です。
観光地が県内に散らばっていて、しかも公共交通の本数が限られます。旅行会社の案内にも「スポットが点在し、公共交通の運行時間も限られる場合が多いのでレンタカーがおすすめ」とはっきり書かれているくらいです。
だから福井の宿選びは、「何に近いか」ではなく「翌日どちらの方向へ向かうか」で決めることになります。
福井の観光地は、福井駅から3方向に散っている
まず地理を頭に入れてしまうと、あとが早いです。
福井の主要な行き先は、福井駅を中心に3方向へ放射状に伸びています。
北は、あわら温泉と東尋坊、三国湊のエリア。日本海に面した観光の中心地です。
東は、永平寺と勝山。勝山には福井県立恐竜博物館があります。内陸の山側です。
西は、越前海岸。冬の越前がにで知られる海沿いのエリアです。
問題は、この3つが互いに逆方向にあることです。北へ行った日に西へは回れませんし、東へ行った日に北へ戻るのも骨が折れます。
つまり、ひとつの宿を拠点にして全部回ろうとすると、行って戻ってをくり返すことになります。 福井駅を何度も通過する旅程になり、移動だけで一日が溶けます。
だから宿は、方向で決めます。ここから4つのエリアを見ていきます。
福井駅前に泊まる
まずは福井駅の周辺です。
強みは、どの方向にも出られること。3方向の分岐点なので、翌日の予定が決まっていなくても対応できます。恐竜博物館へ向かうえちぜん鉄道も、永平寺へのバスも、ここが起点です。
ビジネスホテルが中心で、価格を抑えやすいのもこのエリアです。駅前には恐竜のモニュメントがあり、飲食店もひととおりそろっています。
弱点は、どこにも近くないことです。全方向に出られるということは、どの目的地からも距離があるということでもあります。恐竜博物館まではえちぜん鉄道で約60分、そこからバスで15分ほど。朝いちに着きたいなら、かなり早く動く必要があります。
温泉宿の雰囲気を求める人にも向きません。福井駅前は、あくまで移動のハブです。
1泊だけで効率よく回りたい、翌日の行き先を柔軟に決めたい、という場合はここが正解になります。
あわら温泉に泊まる
北陸新幹線の延伸で、いちばん立場が変わったのがここです。
芦原温泉駅に新幹線が停まります。 つまりあわら温泉は、東京から乗り換えなしで着ける温泉地になりました。この事実は、首都圏から行く人にとって想像以上に大きいです。
あわら温泉は源泉が74本あり、宿ごとに泉質や効能が違うのが特徴です。同じ温泉地でも湯が一軒ずつ違うので、リピートする楽しみがあります。
そして立地が優秀です。芦原温泉駅の西口から東尋坊行きのバスが出ていて、温泉街の「あわら湯のまち駅」までは約15分、300円ほど。そのまま乗り続ければ三國湊まで50分ほどで着きます。国の名勝・天然記念物である東尋坊も、この路線の先です。
冬はカニ会席を出す旅館が多く、越前がにの季節にはここを拠点にする人も多いエリアです。ワンランク上の一軒を探すなら、一休.comのような高級宿に強いサイトで見てみると、源泉の違いや部屋のタイプが比べやすくなります。
弱点は、東と西の方向へは遠いこと。恐竜博物館や越前海岸を組み込むなら、移動時間を多めに見てください。
なお、宿によっては芦原温泉駅やあわら湯のまち駅から無料の送迎を出しています。予約制のところが多いので、押さえるときに一緒に頼んでおくと、荷物を持ってバスを待たずに済みます。
越前海岸に泊まる
西の方向、日本海沿いのエリアです。
ここは目的がはっきりしています。カニです。 越前がにの本場で、漁港に近い民宿や旅館が並びます。獲れたてを宿の夕食で出す、という土地柄です。
日本海に沈む夕日も、このエリアの見どころです。海に向かって開けているので、天気がよければ水平線に日が落ちるところが見られます。
弱点は交通です。公共交通の本数が限られるため、実質的に車が前提になります。レンタカーを借りるか、宿の送迎を確認するか。ここを詰めずに予約すると、当日たどり着けない、ということが起こりえます。
そのぶん、泊まってしまえば移動しなくていい、という利点もあります。カニを目当てに行くなら、宿から出ない前提で組むのがいちばん快適です。
越前がにの時期の選び方は越前がにはいつ行く?にまとめています。実は、行く月によって食べられるカニの種類が変わります。
勝山・永平寺の方面に泊まる
東の方向、内陸の山側です。
このエリアの目的は、福井県立恐竜博物館と永平寺です。どちらも福井駅から距離があり、日帰りで両方をこなそうとすると慌ただしくなります。
特に恐竜博物館は、福井駅からえちぜん鉄道で約60分、勝山駅からさらにバスで15分ほど。片道1時間15分以上かかる計算です。混雑する時期に朝いちを狙いたいなら、勝山側に泊まってしまうほうが確実です。
弱点は、宿の選択肢が限られること。福井駅前やあわら温泉に比べると数が少ないので、早めに動く必要があります。
なお、えちぜん鉄道と勝山市内バスがセットになった1日乗車券もあります。車を使わない場合は、こういう切符を先に調べておくと安心です。
何泊するか、どう組むか
方向が3つあるので、日数の考え方も整理しておきます。
1泊2日なら、方向をひとつに絞ってください。北(あわら温泉と東尋坊)か、東(恐竜博物館と永平寺)か、西(越前海岸のカニ)か。欲張ると移動で終わります。
2泊3日なら、2方向まで。おすすめは、初日にあわら温泉に泊まって北を回り、2日目に福井駅前か勝山方面へ移動して東を回る流れです。同じ宿に連泊するより、方向に合わせて泊まり分けるほうが移動が減ります。
3泊以上なら、3方向すべて入ります。ここまで来ると、隣県とつなげる選択肢も出てきます。金沢は北陸新幹線でつながっているので、福井と金沢を1泊ずつという組み方も自然です。北陸を広く回るなら金沢と飛騨高山を巡るモデルコースも参考になります。
冬に行くときの注意
福井は雪が降ります。特に山側の勝山方面は積雪が多い地域です。
冬に恐竜博物館へ向かうなら、電車やバスの所要時間が読みにくくなることを前提にしてください。レンタカーの場合は冬タイヤの確認も必須です。
一方、カニの季節はまさに冬です。越前海岸へ向かうなら、天候と道路状況を当日の朝に確認するくらいの余裕を持って組んでください。宿の送迎があるかどうかも、この時期はとりわけ重要になります。
目的別・福井の宿の選び方
ここまでを整理します。
- 1泊で効率よく、翌日の行き先を柔軟に決めたい → 福井駅前
- 温泉に入りたい、東尋坊も行きたい、東京から乗り換えたくない → あわら温泉
- 越前がにが目的 → 越前海岸。ただし交通手段を先に確保する
- 恐竜博物館の朝いちを狙いたい → 勝山方面
- 2泊するなら → 方向ごとに泊まり分ける。連泊より移動が減る
- 車を使わない → 福井駅前かあわら温泉。この2つは公共交通で動ける
まとめ
福井は、新幹線で近くなった県です。でも県内に入ると、観光地は3方向に散っています。
北のあわら温泉と東尋坊、東の恐竜博物館と永平寺、西の越前海岸。この3つは互いに逆方向にあり、公共交通の本数も限られます。だから宿は「何に近いか」ではなく、「翌日どちらへ向かうか」で決める。それだけで、移動の無駄がかなり減ります。
1泊なら1方向、2泊なら2方向。欲張らずに絞るほうが、結果的に満足度は上がります。
所要時間・運賃・バスの本数はいずれも変わることがあるため、計画を固める前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
泊まるエリアの見当がついたら、楽天トラベルやじゃらん、一休.com、Booking.comなどで見比べてみてください。同じ福井でも、温泉旅館と漁港の民宿とビジネスホテルでは、旅の中身がまるで違います。
よくある質問
Q. 福井は車がないと回れませんか?
方向によります。福井駅前とあわら温泉を拠点にするなら、公共交通だけでも動けます。芦原温泉駅から東尋坊方面へはバスが出ていますし、恐竜博物館へも福井駅からえちぜん鉄道と市内バスで行けます。一方、越前海岸は公共交通の本数が限られるため、実質的に車か宿の送迎が前提になります。カニを目当てに越前海岸へ行くなら、予約時に送迎の有無を確認しておいてください。
Q. 福井は何泊すればいいですか?
行きたい方向の数で決めるのがおすすめです。福井の観光地は福井駅を中心に北・東・西の3方向へ散っていて、それぞれ逆方向にあります。1泊2日なら1方向に絞り、2泊3日なら2方向まで。3方向すべて回りたいなら3泊以上あると余裕が出ます。連泊して毎日往復するより、方向に合わせて宿を移すほうが移動時間は短くなります。
Q. 東京から福井へはどう行くのが早いですか?
北陸新幹線が便利です。2024年3月に敦賀まで延伸され、東京駅から福井駅まで乗り換えなしで、およそ2時間51分です。あわら温泉に泊まる場合は、手前の芦原温泉駅にも新幹線が停まるので、そちらで降りると温泉街まで近くなります。所要時間やダイヤは変わることがあるため、予約前に最新の時刻表を確認してください。




