青森県の宿は、「津軽側で過ごすか、南部側で過ごすか」で選ぶと外しにくくなります。青森県は、西の津軽地方と東の南部地方で、言葉も祭りも食べものも違い、新幹線の駅も新青森と八戸の2つに分かれているからです。
ねぶたの青森市、城下町の弘前、ストーブ列車の五所川原、朝市と港の八戸、そして雪深い八甲田の温泉。この記事では、青森県をいくつかのエリアに分けて、どんな旅に向いているか、どこに泊まると動きやすいかを整理します。東北全体の宿選びは、東北はどこに泊まる?もあわせてどうぞ。
青森の宿選びは「新幹線の駅」と「津軽・南部」で決まる
東北新幹線は、八戸駅を経て新青森駅まで延びています。東京から新青森までは「はやぶさ」でおよそ3時間から3時間20分ほどです。
西の津軽は新青森、東の南部は八戸が玄関口
青森市、弘前、五所川原など、りんごの畑や岩木山が広がる西側が津軽地方です。こちらへ向かうなら、新青森駅が玄関口になります。
一方、八戸を中心とする東側が南部地方です。港町の八戸は、新幹線の八戸駅から入ります。十和田湖や奥入瀬渓流は、県の南側で両方の地方の境目あたりにあり、青森市側からも八戸側からもバスでアクセスできます。
津軽と南部を1回の旅で両方回ろうとすると、移動に時間を取られがちです。1泊2日ならどちらか一方に絞り、2泊以上あるなら両方を組み合わせる、と考えるとプランが立てやすくなります。
冬の青森は、雪を前提に宿を選ぶ
青森は雪の多い県です。冬に訪れるなら、駅から近い宿を選ぶ、移動は午前中に済ませるなど、雪で予定が遅れることを前提に組むと安心です。車で回る場合は、冬用タイヤの装備を必ず確認しましょう。
青森市(青森駅周辺):ねぶたと海鮮、県内の起点
県庁所在地の青森市は、青森駅の周辺にホテルや飲食店が集まっています。新青森駅から青森駅までは、在来線で1駅です。
1年中ねぶたに会える町
青森ねぶた祭は毎年8月2日から7日に行われますが、祭り以外の時期でも、青森駅のそばにある「ねぶたの家 ワ・ラッセ」で実際に祭りを練り歩いた大型ねぶたを見ることができます。冬に訪れても、ねぶたの迫力にふれられるのが青森市のうれしいところです。
駅の近くには、好きな刺身を丼にのせて食べる「のっけ丼」で知られる市場もあります。朝ごはんを市場で、という過ごし方ができるのも、駅前に泊まる楽しみのひとつです。
八甲田や奥入瀬へのバスの起点にも
青森駅からは、八甲田・酸ヶ湯温泉や十和田湖方面へ向かうJRバスが出ています。車がなくても山の温泉地や渓流へ向かえるので、公共交通で動く旅の拠点として使いやすいエリアです。
向いている旅行スタイル:初めての青森、公共交通で動く、ねぶたや海鮮を楽しみたい、県内をあちこち回る起点がほしい。
弘前:城下町と洋館、津軽の文化にひたる
弘前は、弘前城を中心に古い街並みと明治・大正期の洋館が残る城下町です。弘前市の観光サイトによると、東京から新幹線と在来線を乗り継いで約3時間30分から3時間40分が目安です。
桜の町は、冬もゆっくり歩ける
弘前といえば春の桜が有名で、見頃の時期は宿が早くから埋まります。桜の時期の泊まり方は、弘前の桜、宿はいつ予約する?で詳しくまとめています。
一方で、冬の弘前は観光客も少なく、雪をかぶった城や洋館を静かに見て回れる季節です。2月には弘前公園で雪燈籠まつりが開かれ、雪の灯籠やミニかまくらの灯りが公園を彩ります。開催日程は年によって変わるので、行く前に弘前市の公式サイトで確認してください。
津軽の旅の拠点としても
弘前はJR五能線の起点に近く、五所川原や日本海側へ向かう旅の拠点にもなります。宿の数も多く、津軽地方を回るなら青森市と並ぶ有力な宿泊地です。ワンランク上の宿でゆっくりしたいなら、一休.comで弘前周辺の宿を探してみるのも一つの方法です。
向いている旅行スタイル:城下町の散策や洋館めぐりが好き、津軽地方をじっくり回りたい、桜や雪燈籠の季節に訪れたい。
五所川原:ストーブ列車と立佞武多の町
弘前の北、津軽平野の真ん中にあるのが五所川原です。見上げるほど大きな山車「立佞武多(たちねぷた)」の町で、駅の近くの「立佞武多の館」では、祭り以外の時期も実物を見ることができます。
冬は、ストーブ列車の出発点
五所川原は、冬の津軽の風物詩「ストーブ列車」が走る津軽鉄道の起点でもあります。津軽五所川原駅から、太宰治の生家がある金木を通って津軽中里まで、石炭のだるまストーブを積んだ客車が雪原を走ります。
ストーブ列車の朝の便に乗るには、五所川原に泊まっておくのが確実です。詳しくは津軽鉄道のストーブ列車は泊まるべき?でまとめています。
向いている旅行スタイル:ストーブ列車に乗りたい、太宰治ゆかりの金木を訪ねたい、津軽の冬の暮らしにふれたい。
八戸:港町の朝と、南部の食
八戸は、県の東側、太平洋に面した港町です。新幹線の八戸駅があり、東京から来る場合は新青森より手前で降りられます。
朝市と横丁の町
八戸は漁港の町で、朝市や市場が充実しています。夜は中心街に小さな飲み屋が並ぶ横丁があり、地元の人と肩を並べて飲むのも八戸らしい楽しみです。新幹線の八戸駅と中心街は少し離れているので、横丁や朝市を楽しみたいなら、中心街の本八戸駅周辺に泊まるのがおすすめです。
朝市は開催日や時期が決まっているものが多いので、行く前に八戸市の観光サイトなどで日程を確認しておきましょう。
向いている旅行スタイル:海鮮や港町の雰囲気が好き、横丁で飲み歩きたい、南部地方を回りたい。
八甲田・酸ヶ湯温泉:雪深い山の湯に泊まる
青森市の南、八甲田山のふもとには、酸ヶ湯温泉をはじめとする山の温泉が点在しています。青森駅からJRバスで1時間10分〜1時間30分ほどです。
冬は、雪の中の一軒宿で過ごす
冬の八甲田は深い雪に包まれ、山の温泉宿は雪の壁の向こうにあるような景色になります。ヒバ造りの大きな湯船で知られる酸ヶ湯温泉など、湯治場の雰囲気が残る宿で、雪見をしながらのんびり過ごすのがこのエリアの楽しみ方です。
冬の山道は、夜間に通行止めになる区間もあります。車で向かう場合は、明るいうちに宿に着くよう計画しましょう。バスで行く場合も、雪で遅れることを前提に、時間に余裕を持っておくと安心です。
奥入瀬・十和田湖へも
八甲田を越えた先には、奥入瀬渓流と十和田湖があります。新緑や紅葉の季節に渓流沿いを歩くなら、奥入瀬渓流は泊まるべき?で泊まり方をまとめています。
向いている旅行スタイル:雪景色の中の温泉宿でゆっくりしたい、湯治場の雰囲気が好き、奥入瀬・十和田湖と組み合わせたい。
日数別・青森の泊まり方の組み立て
1泊2日なら、津軽側に絞る
東京から新幹線で1泊2日なら、新青森から入って津軽側に絞るのがおすすめです。1日目は青森市でねぶたの家と海鮮、夜は駅前泊。2日目は弘前へ移動して城下町を歩き、新青森から帰る、という流れなら移動にあまり時間を取られません。
冬なら、1日目に五所川原へ入って泊まり、2日目の朝にストーブ列車に乗る、という組み方もできます。
2泊3日なら、山の温泉か南部側を足す
2泊3日あるなら、津軽の町に1泊、八甲田の温泉宿に1泊という組み方で、町と山の両方を味わえます。南部側も見たいなら、最終日に八戸へ移動して、港町を歩いてから八戸駅の新幹線で帰る、という片道ずつ違うルートにすると、同じ道を戻らずに済みます。
夏祭りの時期は、どのエリアも早めに
8月上旬は、青森ねぶた祭、弘前ねぷたまつり、五所川原立佞武多と、津軽の各地で大きな夏祭りが重なる時期です。この期間は県内のどのエリアでも宿が埋まりやすく、祭りの町に泊まれないときは、隣の町に宿を取って列車で通う人も少なくありません。夏祭りに合わせて行くなら、日程が決まった時点で宿を押さえておくのが安心です。各祭りの日程は、それぞれの公式サイトで確認してください。
青森の宿エリア選びまとめ
- 青森は西の津軽、東の南部で分かれ、新幹線の玄関口も新青森と八戸の2つ
- 初めてなら青森駅周辺。ねぶたの家や市場に近く、八甲田へのバスの起点にもなる
- 城下町と洋館、桜や雪燈籠を楽しむなら弘前
- ストーブ列車や立佞武多なら五所川原
- 港町の朝市と横丁なら八戸(中心街の本八戸周辺)
- 雪の山の湯で過ごすなら八甲田・酸ヶ湯温泉
- 1泊2日は津軽側に絞り、2泊3日なら温泉か南部側を足す
青森は、県の中でも地方ごとに旅の表情が大きく変わります。まずは津軽と南部、どちらで何をしたいかを決めて、泊まるエリアを選んでみてください。
エリアが決まったら、楽天トラベルやじゃらん、一休.com、Booking.comなどで、同じエリアの宿を見比べてみてください。冬は駅からの距離や送迎の有無もチェックしておくと、雪の中の移動がぐっとラクになります。
よくある質問
Q. 初めての青森旅行、どこに泊まるのがおすすめですか?
公共交通で動くなら、青森駅周辺が無難です。新青森駅から在来線で1駅と近く、ねぶたの家や市場に歩いて行けるうえ、八甲田・酸ヶ湯温泉や十和田湖方面へのバスもここから出ています。城下町の雰囲気を楽しみたいなら、弘前に泊まるのもおすすめです。
Q. 青森市と弘前、どちらに泊まるのがいいですか?
ねぶたや海鮮、八甲田への移動のしやすさを重視するなら青森市、城下町の散策や洋館めぐり、五所川原や日本海側への移動を重視するなら弘前が向いています。どちらに泊まっても、もう一方へは在来線で日帰りできる距離です。
Q. 冬の青森旅行で気をつけることはありますか?
冬の青森は雪が多く、列車やバスが遅れることもあります。駅から近い宿を選ぶ、移動は午前中に済ませるなど、余裕を持った計画がおすすめです。車で回る場合は冬用タイヤの装備を確認し、山の温泉地へは明るいうちに着くようにしましょう。




